仕事で嫌なことがあった日。
人間関係で傷ついた日。
もう終わったことなのに、夜になると何度も思い出してしまう。
「あの時こう言えばよかった」
「なんであんなことを言われたんだろう」
「また同じことが起きたらどうしよう」
そんなふうに、嫌なことが頭から離れなくなることはありませんか?
嫌なことを忘れたいのに、忘れようとするほど思い出してしまう。
そしてそのたびに、
「気にしすぎな自分が悪いのかも」
「もっと早く切り替えなきゃ」
「いつまでも引きずる自分が弱いのかも」
と思ってしまう人もいます。
でも、嫌なことを忘れられないのは、弱いからではありません。
その出来事や感情が、まだ整理されていないだけかもしれません。
この記事では、嫌なことを忘れる方法と、思い出したくないのに何度も考えてしまう時の対処法を紹介します。
嫌なことを忘れる方法は「記憶を消すこと」ではない
まず大切なのは、嫌なことを忘れる方法とは、記憶を完全に消すことではないということです。
嫌な出来事をなかったことにしたり、記憶そのものを消したりするのは簡単ではありません。
むしろ、
「忘れよう」
「考えないようにしよう」
と強く思うほど、その出来事を意識してしまうことがあります。
だから、ここでいう「嫌なことを忘れる」とは、思い出しても長く考え続けない状態にすることです。
嫌なことを思い出す回数を減らす。
思い出しても、頭の中で何度も反芻し続けない。
嫌なことに使う時間やエネルギーを少しずつ減らしていく。
この状態を目指す方が、現実的です。
嫌なことを忘れるために、まず試したいこと
嫌なことが頭から離れない時は、いきなり深く考え込むより、まずは今できる行動に切り替えることが役立つ場合があります。
1. 何度も人に話し続けない
嫌なことがあった時、人に話して整理することは悪いことではありません。
誰かに聞いてもらうことで、気持ちが落ち着くこともあります。
ただ、同じ嫌なことを何度も何度も人に話し続けると、そのたびに出来事を思い出してしまうことがあります。
すると、頭の中でその出来事が何度も再生され、かえって忘れにくくなることがあります。
たとえば、
- 同じ愚痴を何度も話す
- 何度も相手の言葉を思い出して説明する
- 話すたびに怒りや悲しさが戻ってくる
- 「やっぱり嫌だった」と何度も確認してしまう
という状態です。
話すことが必要な時もあります。
でも、話すたびに余計につらくなるなら、一度ノートに書いて、そこで閉じる方法もあります。
人ではなく、ノートに受け止めてもらう。
そうすることで、嫌なことを何度も言葉にして思い出す回数を減らしやすくなります。
2. 目の前の作業に意識を向ける
嫌なことを忘れたい時は、頭の中だけで考え続けるより、目の前の作業に意識を向けることが役立つことがあります。
たとえば、次のようなことです。
- 散歩する
- 部屋を片付ける
- 料理をする
- 洗い物をする
- 本を読む
- 作業を一つだけ進める
- ストレッチする
- 好きな音楽を聴く
ポイントは、ただぼんやり気をそらすことではなく、手や体を使うことです。
頭の中で嫌なことを考え続けている時は、意識が過去の出来事に向いています。
そこで、今見えているもの、今触っているもの、今動かしている体に意識を戻すと、考え続ける流れを少し止めやすくなります。
嫌なことを完全に忘れようとしなくても大丈夫です。
まずは、嫌なことを考え続ける時間を少し短くすることを目指してみましょう。
3. 感情ではなく、まず事実だけを書く
嫌なことが頭から離れない時は、出来事が頭の中でどんどん大きくなっていることがあります。
そんな時は、まず感情ではなく、事実だけを書いてみます。
たとえば、次のように書き換えます。
- 最悪だった
→ 会議で話している途中に遮られた
- 馬鹿にされた
→ 提案したあと、すぐに否定された
- ひどいことをされた
→ 約束していた予定を直前に変えられた
- めちゃくちゃ嫌だった
→ 相談したのに、すぐ相手の話に変わった
まず事実だけを見ることで、頭の中で膨らんでいた嫌なことを少し整理しやすくなります。
もちろん、感情をなかったことにする必要はありません。
ただ、最初に事実を書くことで、
「何が起きたのか」
「何が嫌だったのか」
を分けて見やすくなります。
4. 寝る前は無理に解決しようとしない
夜になると、嫌なことを思い出しやすくなる人もいます。
布団に入ったあとに、
「あの時こう言えばよかった」
「なんであんなことをされたんだろう」
「明日また同じことが起きたらどうしよう」
と考え始めてしまう。
そんな時は、寝る前に無理に解決しようとしなくて大丈夫です。
夜は疲れがたまっていて、考えがネガティブに寄りやすいことがあります。
その状態で答えを出そうとすると、かえって不安や怒りが強くなることがあります。
寝る前に考え続けそうな時は、次のようにしてみます。
- 「明日考える」と決める
- 今考えていることを一言だけメモする
- 何が嫌だったかだけ書いて閉じる
- スマホや仕事のことから離れる
- 眠る準備に意識を移す
寝る前に嫌なことを考えてしまう人は、寝る前に嫌なことを考えてしまう理由|夜に思い出す時の対処法も参考にしてください。
5. 次にどうするかを一つだけ決める
嫌なことを何度も思い出す理由のひとつに、
「また同じことが起きたらどうしよう」
という不安があります。
その場合は、次に同じことが起きた時の小さな対策を一つだけ決めてみます。
たとえば、次のようなものです。
- 上司の指示が変わる
→ その場で復唱して確認する
- 話を最後まで聞いてもらえない
→ 最初に結論から話す
- 愚痴を長時間聞かされる
→ 「今日は少しだけなら聞ける」と先に伝える
- 予定を急に変えられる
→ 「直前の変更は難しい」と伝える
- きつい言い方をされる
→ その場で返さず、一度持ち帰る
大切なのは、完璧な解決策を作ることではありません。
次の一歩を決めることです。
小さな対策があるだけでも、脳は「これは対処できる問題かもしれない」と感じやすくなります。
なぜ嫌なことは忘れられないのか
人の心は、嫌なことを簡単に忘れられないことがあります。
これは、危険や傷つきを避けようとする自然な働きでもあります。
たとえば、次のような経験です。
- 怒られた経験
- 失敗した経験
- 傷ついた経験
- 嫌な言葉を言われた経験
- 恥ずかしい思いをした経験
- 理不尽に扱われた経験
こうした出来事を覚えておくことで、同じ失敗や傷つきを避けようとします。
つまり、嫌なことを思い出すのは、必ずしも心が弱いからではありません。
むしろ、自分を守ろうとする自然な反応でもあります。
問題は、その出来事が終わったあとも、何度も繰り返し考え続けてしまうことです。
忘れようとすると逆に思い出すことがある
嫌なことを忘れたい時、多くの人は、
「忘れよう」
「考えないようにしよう」
とします。
しかし、これは逆効果になることがあります。
たとえば、
「白いクマを思い浮かべないでください」
と言われると、逆に白いクマを思い浮かべてしまうことがあります。
嫌なことも同じです。
忘れようとするほど、その出来事を意識してしまうことがあります。
だから大切なのは、無理に忘れようとすることではありません。
まずは、何が嫌だったのかを整理することです。
人は「出来事」よりも、処理できなかった感情を引きずる
嫌なことを何度も思い出す時、人は出来事そのものよりも、その時に処理できなかった感情を引きずっていることがあります。
たとえば、次のような気持ちです。
- 本当は嫌だった
- 本当は傷ついていた
- 本当は苦しかった
- 本当は怒っていた
- 本当は怖かった
- 本当は悔しかった
- 本当は言い返したかった
- 本当は分かってほしかった
でもその場では、
「そんなふうに思っちゃダメ」
「自分が気にしすぎかもしれない」
「もっと大人にならなきゃ」
「相手にも事情があるし」
と、自分の感情を押し込めてしまうことがあります。
すると、出来事は終わっていても、感情だけが残り続けることがあります。
何度も思い出してしまうのは、その感情がまだ自分の中で整理されていないからかもしれません。
相手を理解しようとしすぎると、自分の感情が置き去りになる
真面目な人ほど、嫌なことがあった時に相手の事情を考えようとします。
たとえば、次のように考えます。
- 相手にも事情がある
- 悪気はなかったのかも
- 自分が気にしすぎなのかも
- 相手も疲れていたのかもしれない
- これくらいで傷つくのはよくないかも
もちろん、人を理解しようとすることは悪いことではありません。
ただ、その過程で、自分がどう感じたのかが後回しになってしまうことがあります。
相手の事情を考えることと、自分が傷ついたことをなかったことにすることは別です。
「相手にも事情があったかもしれない」
と考えることと、
「でも自分は嫌だった」
と認めることは、両方あっていいのです。
自分の感情が置き去りになると、嫌なことは頭の中に残りやすくなります。
「嫌だった」を認められていないことがある
嫌なことを引きずる時、
「嫌だった」
という感情そのものを認められていないことがあります。
たとえば、次のように考えてしまいます。
- こんなので傷つくのは変かも
- 嫌いになるのはよくない
- もっと受け流すべきだった
- イライラする自分が未熟なのかも
- 早く切り替えられない自分が悪いのかも
そんなふうに、感情に正しさを求めてしまう。
でも感情は、「正しいかどうか」を判定するものではありません。
まず必要なのは、自分は嫌だったんだと認識することです。
「嫌だった」と認めることは、誰かを責めることではありません。
自分の中で起きた反応を見つけることです。
嫌なことを紙やノートに書く方法
嫌なことを忘れられない理由のひとつは、出来事や感情が未整理のまま残っていることです。
頭の中で整理できていないことは、何度も思い出しやすくなります。
だから、嫌なことを忘れるためには、無理に消そうとするよりも、次のことを整理することが大切です。
- 何が起きたのか
- なぜ嫌だったのか
- 自分はどう感じたのか
- 次に同じことが起きたらどうするか
整理できると、嫌なことは「覚えておかなきゃいけない問題」ではなくなっていきます。
完全に忘れられなくても、頭の中で何度も繰り返す時間を少しずつ減らしやすくなります。
1. 何が起きたかを書く
まずは、実際に起きたことを書きます。
たとえば、
- 会議で話を遮られた
- 相談したら軽く流された
- 約束していた予定を直前に変えられた
- 強い言い方をされた
- 愚痴を長時間聞かされた
- 返信を何度も催促された
この時点では、きれいに整理しようとしなくて大丈夫です。
「なんか嫌だった」
「かなり苦しかった」
「軽く扱われた気がした」
「ずっと引っかかっている」
「うまく説明できないけど傷ついた」
そのくらいの言葉でも十分です。
頭の中だけで考えていると、同じことを何度も繰り返してしまいます。
しかし書き出すと、嫌なことを少しだけ頭の外に置きやすくなります。
2. なぜ嫌だったのかを見る
次に、
「なぜ自分は嫌だったのだろう?」
と考えてみます。
たとえば、次のように分解できます。
- 話を遮られた
→ 最後まで聞く価値がないと思われたように感じた
- 急かされた
→ 自分のペースを乱された気がした
- きつい言い方をされた
→ 尊重されていないように感じた
- 相談を流された
→ 気持ちを受け止めてもらえなかった
- 愚痴を長く聞かされた
→ 自分の時間や心の余白を使いすぎた
嫌なことは、出来事そのものよりも、その出来事に対して自分が感じた意味に残りやすいです。
「なぜ嫌だったのか」が見えてくると、自分が大切にしているものも見えてきます。
3. 本当はどうしてほしかったかを書く
嫌なことを引きずる時は、本当はどうしてほしかったのかが言葉になっていないことがあります。
たとえば、次のようなものです。
- 最後まで話を聞いてほしかった
- もう少し丁寧に言ってほしかった
- 事前に確認してほしかった
- こちらの都合も考えてほしかった
- 気持ちを受け止めてほしかった
- 勝手に決めつけないでほしかった
- 距離感を尊重してほしかった
この「本当はどうしてほしかったか」を書くことで、ただの怒りやモヤモヤではなく、自分の希望や境界線が見えやすくなります。
4. 次にどうするかを一つだけ決める
最後に、次に同じことが起きた時の対策を一つだけ決めます。
たとえば、
- 話を遮られたら「続きだけ話してもいい?」と戻す
- 急かされたら「少し確認してから返します」と言う
- 愚痴を聞かされる時は「今日は10分だけなら聞ける」と先に伝える
- 予定変更がつらい時は「直前の変更は難しい」と伝える
- きつい言い方をされた時は、その場で返さず一度持ち帰る
大きな対策でなくて大丈夫です。
次に自分を少し守るための一手を持っておくことが大切です。
嫌なことを引きずる時に読みたい記事
嫌なことを忘れられない状態には、いくつかの形があります。
自分の状態に近い記事も参考にしてみてください。
- 寝る前に嫌なことを考えてしまう理由|夜に思い出す時の対処法
- 人の言葉を引きずってしまう理由|言われた一言が頭から離れない時の対処法
- 嫌いな人のことばかり考えてしまう理由|頭から離れない時の対処法
- 「気にしすぎ」と言われて苦しい人へ|自分の感覚を否定しないために
- 言い方を間違えたかもと気にしすぎる人へ|会話を何度も思い出してしまう理由
- ネガティブ思考をやめたい時にできること|嫌なことばかり考えてしまう理由と対処法
頭の中で繰り返す前に、いったん外へ出してみる
NOPE NOTEでは、嫌なことをただのストレスとして終わらせません。
嫌だったことを記録し、なぜ嫌だったのかを見て、次にどうするかを残していきます。
たとえば、次のように記録します。
例1:会議で話を遮られた
嫌だったこと:
会議で話を遮られた
なぜ嫌だったか:
最後まで聞いてもらえず、軽く扱われた気がした
次の対策:
次回は最初に結論から話す
例2:夜に嫌な言葉を思い出した
嫌だったこと:
昼間に言われた一言を、夜になって何度も思い出した
なぜ嫌だったか:
自分のことを否定されたように感じて苦しかった
次の対策:
「何が嫌だったのか」を一度書く。寝る前に考え続けそうな時は、明日見返すことにして閉じる
このように書いておくと、
「また嫌なことを思い出した」
で終わらず、自分のストレスパターンや対策が見えてきます。
紙のノートでも十分ですが、NOPE NOTEのように嫌だったことと対策を一緒に記録できる仕組みがあると、同じストレスを振り返りやすくなります。
嫌なことを忘れるために、無理に消そうとしなくて大丈夫です。
一度書いて、頭の外に置く。
それだけでも、覚えておく負担を少し減らせることがあります。
嫌なことは無理に忘れなくていい
嫌なことを完全に消そうとする必要はありません。
大切なのは、嫌なことをなかったことにすることではなく、必要以上に振り回される時間を減らすことです。
そのためには、次の流れが役立ちます。
- 書き出す
- 感情を認識する
- なぜ嫌だったかを見る
- 対策を考える
- 振り返る
嫌なことは、ただのストレスではありません。
自分が何に傷つきやすいのか。
何を大切にしているのか。
どんな距離感が必要なのか。
そうしたことを教えてくれるヒントになることもあります。
まとめ
嫌なことを忘れられないのは、あなたが弱いからではありません。
嫌なことを忘れる近道は、無理に忘れようとすることではなく、一度しっかり整理することです。
特に、思い出したくないのに何度も考えてしまう時は、次のことを試してみてください。
- 何度も人に話し続けない
- 目の前の作業に意識を向ける
- 感情ではなく、まず事実だけを書く
- 寝る前は無理に解決しようとしない
- 次にどうするかを一つだけ決める
嫌なことを完全に消すことはできなくても、嫌なことに振り回される時間を少しずつ減らすことはできます。
そしてその記録は、自分を知り、自分を守るためのヒントになっていくかもしれません。
寝る前に嫌なことを考えてしまう人は、寝る前に嫌なことを考えてしまう理由|夜に思い出す時の対処法も参考にしてください。
人の言葉を引きずってしまう人は、人の言葉を引きずってしまう理由|言われた一言が頭から離れない時の対処法もあわせて読んでみてください。
同じ場面が頭から離れないときに
頭の中で繰り返す前に、いったんここに置けます
うまく整理できていなくても大丈夫です。NOPE NOTEでは、今浮かんでいることをそのまま話し、残したい要点だけを次の自分に使える形で残せます。
今のことを話す
